frei

旧「anney's room」からブログ「frei」だけ引っ越し&残しました

初めての留学。

1998年、初めてドイツに留学した時、

一ヶ月の予定で語学学校に入った。

全部で15人くらいのG3のクラスに入り、

日本人も他に3人いたけど、勿論あとは外人ばかりで

ドキドキしながら、授業を受けた。

クラスメートの中には

背は少し低めで、口ヒゲがいかにもアラビアンな感じな男性がいた。

誰がどこから来たのか、興味深々だったので

皆の自己紹介は、しっかりちゃんと聞いていた。

しかし、彼の番になってみると

「Ich komme aus Irak.」(イラク出身です)

と言っている。

・・・って、イラク?いや、まさか(汗)

当時、勿論イラクはまだフセイン政権下で

とても自由なイメージは持っていなかったので

こんなところにイラク人がいるとは思えない。

おまけに私の独語力はとても低いはず。

イランの聞き間違いかな。

なーんて思ってたら、本当にイラク人だった。

お母さんと一緒に、なんらかの理由をつけて

誤魔化しながら、国から逃げてきたそうな。

だから、万が一、居場所が母国にバレれば

国で処刑されると言っていた。って、処刑!?

ここでも、また私は自分の独語聞き取り能力を疑った。

すると彼は、手を首のところにあてて

切り落とされるジェスチャーをした。

・・・やっぱり処刑なんですね(涙)

他のクラスメートのおじちゃんは、

旧ソ連出身だった。

彼は確か順番で回ってくる「Referat」(レポート)発表で

自分の祖国について語った。

昔、ソ連だった頃、毎週土曜日になると、

村の近くで原爆の実験をしてたんです。

その振動は家まで伝わって、ゆれてました。

それから、しばらくして、村人はほとんど病気になりました。

・・・・・。

そういう事が身近だったんですか。

いろいろビックリしました。

今、こうして目の前にいる人達が、

そういう経験をしたり、そういう立場である事に。

やはり、ニュースで伝えられているような世界は

実在するのだと、ひしひし感じました。

日本で生きてきて、

いろいろ経験した気でいましたが

全部気のせいでした。

平和ボケしていた事を実感しました。

世界は広い。

それが第一回ドイツ留学の感想でした。