猫との記憶。
私は一人っ子です。
でも、兄弟みたいな猫がいました。
以前、近所の酒屋のオス猫が
マンションの上の方に住む我が家まで通うようになりました。
階段で来るのか?というと、違いました。
誰かが乗ろうとするエレベーターに
堂々と一緒に乗って、
我が家の階まで来てました。
ドアの前に来ると、ニャーと鳴くなり
爪でドアをひっかいたり、
ドンと体当たりしたりと、あれこれして
部屋の中にいる私達に「ドアを開けろー」と催促します。
ドアを開けると、とっとと家の中まで入ってきて
「エーサーくーれー」と顔と動作で訴えます。
はいはい、わかったよー。
カラカラカラ…(ペットフードを容器に入れた音)
ガツガツ。
ガツガツ。
ガツガツ。
ガツガツ食べるのはいいですが、しかし食べすぎです。
ガツガツ。
ガツガツ。
勢い良すぎます。
大丈夫ですか?>猫
ダメでした(笑)
ひっくひっく、隣の部屋で吐いてます(涙)
はい、始末します。ほんま、だいじょぶか?
こんな調子ですが、彼(猫)は少々太り気味。
いや、かなり太っていました。
ひととおり、やる事をし終わると
リラックスして、どっかで眠ります。
ときどき居間で寝ているのを見かけると
耳の上の端の方だけ、かすかに触ってくすぐり
耳をピクピクさせて、遊びます。
耳で飽きると、ヒゲにかすかに触ってみたり
いろいろしてると、尻尾をバタンバタンさせます。
相当、不機嫌のようです。
あ、かまれました(笑)
それでも、続けます(←しつこい)。
すると、さすがに呆れたらしく
「はぁー」とため息をついてから、そっぽ向いて
また眠ってしまおうとします。
こうして、私達の間には信頼しあえる
素敵な関係が出来上がっていたのでした。(?)
夜寝る時もたまに一緒です。
私がベットで寝ていると、
容赦なく私の身体めがけて、重い身体で飛び乗ってきます。
ぐはっ、と目が覚めると
ゴロゴロ言いながら、布団ん中に入れろと
顔の方に近づいてきます。はいはい。
布団を軽く上げると、
枕と掛け布団の間にちゃんと横たわって枕して眠ります。
でも、猫が途中で目が覚めて、ベットから降りようとすると
何故か私の顔の上で立ち止まり、
私の顔に彼の爪をめり込ませながら、何か迷っているようです。
迷うのは自由だが、私の顔の上で考えこまないでくれ…。
そうして、彼は外にトイレしに行きたいのか
私を玄関のドアまで導いて行き、ドアを開けさせ
出かけていくのでした。
そーんな日々を結構長いこと過ごしてたけど
8年くらい前に行方不明になってしまいました。
身体がかなり弱っていたので、もう寿命だったのかもしれません。
ほんまに貴重な大事な日々でした。
ときどき辛いなって思う時に
ふと彼に見守られてるような気になっちゃうのは
私の勝手な妄想なのかなぁ…。